Colors -Transformation-




この世にあるものはすべて原子により構成されている
C(炭素)、H(水素)、O(酸素)などの基本原子とN(窒素)などほかの原子が組み合わさり、その配列の違いで異なる物質が生まれる
砂糖、アルコール、プラスチックなど一見全く異なる物質も、元をたどれば同じ原子で構成されており、その配列が異なるだけである
縦の3枚の写真は自然界に存在する「水」「岩石」「植物」「大気」という基本要素を写した同じ写真を組み合わせて作った作品である
元になる写真はすべて同じ(一枚目の写真のみ「枝」の写真を追加)
同じ原子を使っていても、その配列によって全く異なった多彩な物質が生まれる
それと同じように、同じ写真を使っても、その組み合わせの仕方によって全く異なった多彩な写真(形、色)が生まれる
タイトルの「Colors -Transformation-」は、
「同じ要素を使用していても、その組み合わせ方によりまったく異なった多様な物質が生まれ、それらの組み合わせにより世界が構成されている」というこの世界を作り出している原理を写真を使って再現したものである
自然界を構成する「水」「岩石」「植物」「大気」という基本的要素を写した同じ写真を組み合わせることにより、一つ一つの画像が溶け合い「変容 -Transformation-」し、まったく異なった多彩な「色 -Colars-」が作り出される
今回は作品を作成中に生まれた予想外の「色」というものにも焦点を置いた
素材となった写真には存在しなかった色が、重ね合わせにより素材が「変容」していく中で作り出されていった
その色を抽出し、アクリル絵の具でキャンバスに塗ったものも同時に展示した
自分はマークロスコ等の作家によって作り出される「色彩により構成される空間」というものにも影響を受けているので今後はこういった「色彩」に重点を置いた作品も作っていこうと思う