2023年8月28日(月)~9月10日(日)
小樽 旧手宮線跡

作品『壁からの離脱』

東川国際写真フェスティバルのストリート展で展示した作品をベースにしたもの。

壁面に展示するのではなく地上に置いて展示。

撮影の対象物となった実際の壁は常に壁として存在し、壁面を構成している。写真に撮られた壁もまた通常は壁面に展示され、壁の一部となる。
ならば今回は、普段壁面にいる壁写真を普段とは違う場所に置いてみようという実験。

撮影対象となっている歴史的建造物の壁は、長い年月の間風雨に晒され、その壁面に歴史の痕跡を刻み込んできた。
なので、今回は壁の写真も同じ環境で風雨に晒し、写真の表面に時の流れの痕跡を残した。

鉄路写真展は屋外での展示となるため壁面がない。(一部壁面を利用できる区画もあり)
さらに屋根もないので、当然作品は日光や雨風に晒されるわけで、今回の実験にはうってつけの展示環境だった。

会期最終日の9月10日、草に埋もれた作品。

設営日の8月28日には全体がはっきりと見えていた作品が、最終日には完全に草に覆われていた。
作品の表面には雨や風、日光による痕跡が刻まれ、作品の後ろにはナメクジが住み着いていた。

設営日は炎天下で熱中症にならないよう気を付けながらの設営だった一方、最終日の撤収の時はほんのり涼しさを感じる天候だった。

2週間という短い期間だったが、北海道の季節(特に夏から秋)はけっこうなスピードで変わっていくということを実感した。

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